
あさひかわ菓子博で、銘菓を買って食べてみた!映えスイーツも、ビールのお供も
旭川で開かれている日本最大級のお菓子の祭典「第28回全国菓子大博覧会・北海道」(あさひかわ菓子博2025)。工芸菓子の展示やお菓子について学べるパビリオンなど、楽しいブースがたくさんありますが、せっかくのお菓子の祭典、見るより食べたい…ということで、全国の銘菓を販売する「全国スイーツマーケット」で普段北海道では手に入らないお菓子を買ってきました。味わってみた感想を、お伝えします。
各地の銘菓が1000点「全国スイーツマーケット」
全国スイーツマーケットは、メイン会場の道北アークス大雪アリーナに隣接した旭川地場産業振興センターで開かれています。菓子博の入場券か半券を持っていなければ入れません。1500平方メートルの大展示場では、地元・旭川や北海道内のお菓子のほか、全国各地の銘菓約1000点が販売されています。
おいしくて、映えるスイーツを探して
伊勢の赤福や仙台のずんだもち、沖縄のちんすこう、京都の八つ橋などの有名な銘菓のほか、クッキーやチョコレート、各地の季節のフルーツを使ったスイーツ、これからの季節にうれしいひんやり冷菓など、目移りします。せっかくだから、おいしいだけではなく、見た目もかわいらしいお菓子を選びます。
ジューシーな梨そのもの「鳥取二十世紀梨ゼリー」

最初に目に留まったのは、直径8センチほどの果実の形のお菓子。鳥取県米子市の寿製菓「鳥取二十世紀梨ゼリー」です。4個入り(2592円)は梨を入れるビニール製のバッグに詰められており、かわいい。「北海道初上陸」というポップにもひかれ、1個(648円)お買い上げです。

冷蔵庫でしっかり冷やして、食べてみました。ふたを開けると、小さな折りたたみ式のスプーンが付いています。一口食べると、まず感じるのは甘さ。といっても、砂糖の甘さではなく、しっかり熟した梨の甘さです。ゼリー上部には、梨の角切りがごろごろと入っていて、シャリッとした二十世紀梨の食感が感じられます。柔らかめのゼリーは、口に含むととろけるようで、梨のジュースを飲んでいる気分です。小さめのカップですが、しっかりとした梨の甘さとつるんとした食感で、満足できます。
食べる宝石・琥珀糖「星のたより」
山のように積まれたお菓子の箱に圧倒されながら会場を歩いていると、陳列棚の片隅に、とてもきれいな色のお菓子を見つけました。大阪市の老舗和菓子メーカーみどり製菓の琥珀糖「星のたより」(540円)です。六角形のプラスチックケースの中に、白、黄色、ピンク、水色、グリーンの5色の半透明のかけらが詰まっています。
琥珀糖は「食べる宝石」ともいわれ、カラフルな色合いと透明感のある輝きで、写真映えするだけでなく、素朴な甘さで近年、海外でも人気を集めています。星のたよりは「満点の星空から零(こぼ)れ落ちた星のかけら」をイメージしています。
食べてみると、外側はシャリッとした食感で、中は柔らか。琥珀糖は寒天で固めた砂糖水を乾燥させて表面を結晶化させたもの。甘さは国内製造の砂糖と麦芽糖のみで、素朴な甘さが広がります。白はプレーンで、黄色はパイン風味、ピンクはいちご風味、水色はソーダ風味、グリーンはシークワーサー風味と、5種類の味や香りを楽しめます。
ビールのお供を求めて
ここまで、かわいらしいお菓子を探していましたが、ふと、「せっかくMouLaで紹介するなら、もっとインパクトのあるお菓子の方がいいのでは」という思いが頭をよぎります。もともと、スイーツは嫌いではありませんが、甘党か左党かといえば、スイーツよりは、ビールの方が好きかも…。というわけで、ビールに合いそうなお菓子を探してみることにしました。
高級和牛の味わい「山形米沢牛クランチ」
最初に目についたのは、牛肉を練り込んだ「山形米沢牛クランチ」(8枚810円)。山形県鶴岡市の達商の製造です。もち米とバターの生地に、米沢牛の乾燥肉が練り込まれています。
さっそくビールといただきます。うん、合う。それに、ちゃんと牛肉がいます。ステーキソースの風味の奥に、高級なコンビーフのような味わいを感じます。生地は、米パフをクランチ状に焼き上げてあり、食感はサクサク。「米沢牛が名物だけど、本物はなかなか買えないだろうから、お土産用にクッキーにでもしちゃえ」と安易につくったのかと思いきや(失礼)、ちゃんとおいしく、ちゃんと牛肉を楽しめるできあがりです。
調べてみたら、山形県などでつくるやまがた食産業クラスター協議会主催の「第4回やまがた土産菓子コンテスト」(2018年)で優良賞を受けた正統派のお菓子です。
くん製の存在感の大きさ「いぶりがっこちーず『け』」
次は、秋田名物のいぶりがっこ入りの「いぶりがっこちーず『け』」(3個648円)。「け」は秋田の方言で「食べなさい」「食え」の意味だとか。製造は、明治創業の秋田市の老舗菓子店川口屋です。
見た目は白あんのおまんじゅう。一口、と顔の近くに持ってくると、ぷーん、といぶりがっこのくん製臭。味の想像がつかないまま、えいっと口に入れてみます。あ、いぶりがっこだ。細かく刻んだいぶりがっこが、しっかりと存在しています。チーズの味と香りは弱め、いぶりがっこが断然、勝っています。いぶりがっこなのに、しょっぱくはないのです。上品な白あんと、柔らかくほんのり甘い生地に包まれており、全体としては甘いお菓子。なのに、しっかりといぶりがっこ。
今回はビールのお供にしてみましたが、「ワインのおつまみとしても人気」だそう。冷やして食べるのがおすすめです。
チーズとあんこのマリアージュ「宮崎ちーまん」
最後に紹介するのは、「宮崎ちーまん」(1個216円)。宮崎市のひむか家が宮崎県国富町出身のイタリアンシェフ、川越達也さんの監修でつくったお菓子です。5月2日に発売したばかりの新顔。宮崎県産のサツマイモ「紅はるか」や牛乳、九州産の小麦をつかったチーズまんじゅうで、いもあんとこしあんの2種類があります。
パッケージを開けてみると、出てきたのは3口くらいで食べられそうな、小さめのおまんじゅう。半分にカットすると、紫いものあん、こしあんの真ん中に黄色のチーズあんが入っているのが見えます。
食べてみると、あんの甘さの中に、ほんのり塩気のあるチーズを感じます。合わなくない。いえ、合います。普通に甘いお菓子としてもアリです。
番外・超高級、約1万円の金平糖「ピュリニー・モンラッシェ・ヴァン・ブラン金平糖
もう1つ、気になったものがありました。京都の緑寿庵清水の「ピュリニー・モンラッシェ・ヴァン・ブラン金平糖」。1箱180グラム入り、お値段9881円の金平糖です。フランス東部ブルゴーニュ・コート・ド・ボーヌのピュリニー・モンラッシュ村でつくられた白ワインを使っていて、木箱に入ったゴージャスな雰囲気のパッケージ。でも、さすがに手が出ませんでした。
全国スイーツマーケットには、著名な銘菓から地元だけの逸品、甘いものからしょっぱいものまで、さまざまなお菓子が出品されています。菓子博は北海道内での開催は57年ぶり。なかなかないチャンスなので、ぜひ足を運んで、全国各地の銘菓を味わってみてはどうでしょう。