アジア初の世界大会が札幌に!“ALGS”ってどれだけすごいのか、eスポーツを学ぶ学生さんに聞いてみた
2025年1月29日から5日間、札幌が熱くなる。
Apex Legends Global Series Year 4 Championship
“Apex Legends”
2019年よりサービスを開始した、世界中のユーザーが参加するオンラインゲーム。聞いたことあるな~という方も多いのではないでしょうか。FPS(Frist Person Shooting、一人称視点)のシューティングゲームとして多くのユーザーを魅了し、今やeスポーツとしての競技としても知られるようになりました。この世界大会が、札幌市の大和ハウスプレミストドームで開催されます!予選を勝ち抜いた40チーム、120名のトッププレイヤーが札幌に集結する国際的なイベントになります。
とはいえ、こう思う方も多いのではないでしょうか。
「APEXの世界大会って、どんだけすごいの?」
プロゲーマー、ストリーマーも数多く生まれる中、現役でeスポーツを学ぶ志がある方に教えていただくのが一番!と考え、北海道eスポーツ協会にご協力いただき、北海道ハイテクノロジー専門学校でeスポーツを学ぶ吉村心花さんに札幌大会の魅力を伺いました!また、オブザーバーとして北海道情報大学に通う榊原匠太さんにご同席いただき、2名の現役学生さんの目線で札幌大会への期待について熱く語っていただきました!
ALGSって?
◆Apex Legends Global Series Year 4 Championship の略称!
吉村さん:Apex Legendsの世界チャンピオンを決める大会なので、全世界のプレイヤー・観客にとって、熱狂のピークになります!!!
DG:マジすか・・・そんなに熱い理由ってどんなことがあるのでしょうか?
榊原さん:ほかのスポーツ同様、シーズンがあります。1年の集大成であるとともに、世界中のトッププレイヤーが一堂に会する貴重な機会という性質もあります。
◆そもそもApex Legends ってなんですの・・・?
DG:大前提の質問を忘れていました!Apex Legendsってどんなゲームかを教えてください!
吉村さん: FPS(Frist Person Shooting、一人称視点)のシューティングゲームです!3人1チームでフィールドに出て、ほかのチームと競い合って勝利するチームを決めるというのが基本です。
榊原さん:ハードなどの環境さえあれば、基本プレイは無料なので始めやすいのも特徴です。現在はPC・PS4・PS5・Nintendo Swichでプレイ出来て、ハードの垣根を取り払った「クロスプレイ」も可能になったので、よりプレイが身近になったんですよ!
◆数字で見る、ALGSのすごさ
DG:40チーム、120名のトッププレイヤーが集結するわけなんですが、チャンピオンになったら何か良いことあるんですか?
吉村さん:名誉はもちろんですが、賞金ですね。
榊原さん:チャンピオンの賞金は200万米ドルですよ。
DG:えっ、日本円で3億近いの・・・?(2025年1月20日前後の為替での計算)
榊原さん:わかりやすい賞金はもちろんですが、Apex Legendsのプレイヤー人口は世界で1億人を超えているのも特徴です。
バレーボールはスポーツの中でも競技人口が1番多く、その数5億人と言われています。
スポーツとしての歴史もある中、Apexは2019年のサービス開始から1億人規模の市場に成長している、経済的にも注目を集めている市場に成長しています!
・・・札幌開催ってどれくらいすごいの?
◆アジア初開催!日本では札幌がはじめて!
吉村さん:札幌開催と耳にしたとき、半信半疑でした。
DG:すみません、それってどれくらいすごいんですか・・・?
榊原さん:これまで欧米での開催のところ、アジア圏では初です。
吉村さん:既にeスポーツが大衆化している韓国よりも早く日本が選ばれたこともそうなんですけど・・・シンプルに、東京や大阪などの大都市圏じゃなくて「札幌開催」ってなんでもすごくないですか!!!
◆開催都市に選出されるのは、とっても名誉なこと
吉村さん:日頃、自分たちがあこがれの眼差しを向けるプレイヤーたちが、自分たちの街に来てチャンピオンを決めるだなんて、プレイヤーにとっては最高に嬉しいことですよ!!!
榊原さん:既に最終日のチケットも完売していて、著名なプレイヤーの方々からもコメントが寄せられているので、日本開催はもちろん、アジア初の開催場所に札幌を選んでもらえたのは、eスポーツの土壌の広がりを評価してもらえたように感じます。
DG:お二方のように、Apex Legendsやeスポーツの普及に貢献されている方の視点としても、札幌の将来性を含めてめちゃくちゃポジティブなことなんですね!
なにかと「ワールドカップ」などの大きい大会が札幌で開催されると聞けば、なんだか嬉しくなるのと同じテンションで間違いなさそうですね!
大会の見どころ
◆Apexを知るにはYoutubeショートがオススメ!
DG:Apex Legendsに触れたことが無い方もまだまだいらっしゃるので、この札幌大会をきっかけにして知ってもらうきっかけになると良いですよね。とはいえ、何にも知らない状態から観戦するとなるのはハードルが高いと思うんですが・・・。
吉村さん:ぜひYoutubeショートで切り抜かれた動画を見て欲しいです!Apex Legendsって、めっちゃドラマが詰まってるんです。そのハイライトがギュッと詰まったショート動画だからこそ「面白い!」と感じてもらえると思いますし「推し」を見つけるきっかけになります。
DG:長尺の配信よりも触れやすいですしね!とはいえ、ルールとか基本動作も知っておくとより理解もしやすいのかな?と思うんですが・・・
榊原さん:動画も様々ですが、初心者・中級者・上級者向けに分かれていることが多いので、初心者用のガイダンス的な動画をさらっと見ておくと良いと思います。
吉村さん:最近はストリーマーだけでなく、芸能人の方も盛んに配信されていたりするので、好きな芸能人の方のゲーム配信でApex Legendsがあったら絶対に見て欲しいです!!!
◆世界のトッププレイヤーの「頭脳戦」に痺れる!
DG:「こんな観点で見ると『楽しい!』」と思ってもらえるポイントってありますか?
榊原さん:なんといっても「頭脳戦」ですね。約60名・20チームが同時に対戦するので、言葉のとおり大混戦なんです。だからこそ、咄嗟の判断が勝敗を左右するので一瞬たりとも気が抜けない中、勝利を手繰り寄せるシーンは最高に痺れます!
DG:3人全員が勝手な動きをするわけにいかないですもんね・・・司令塔など、役割が分かれているんでしょうか?
榊原さん:チームにもよりますが、だいたい司令塔を担うプレイヤーがいます。そういったプレイヤーの場況を読む力もそうですが、チームメイトが司令塔の考えをくみ取って先読みした行動が嚙み合う瞬間がeスポーツの・Apex Legendsの醍醐味です!独断だけでなく、チームプレイとしての総合力も求められるので、チームスポーツを通じた人間性が育まれる側面もあります。
DG:「ゲーム」というよりも「競技」としての性質が強いですね!それは大会特徴にも現れているそうですが、どんなところなのでしょうか?
榊原さん:ALGSは「プレイヤーのステージと観客席の目線」が物理的にフラットなので、プレイヤーと観客の一体感が熱を生むポイントです。一般的なスポーツだと、アリーナを見下ろすことがほとんどだと思いますが、対面形式で観戦出来るのはほかのスポーツでもなかなか無いので、大会特有の良さだと思います!
◆心が動く「ドラマ」があるんです!
吉村さん:トッププレイヤー・プロのテクニックもそうですが「ドラマ性」にも注目して欲しいです!!!
DG:ALGSは予選で上位・下位20チームに振り分けられるものの、下位グループからの下剋上もありますもんね(予選上位20チームはウィナーズブラケット、下位20チームはルーザーズブラケットに振り分けられ、ウィナーズから10チーム、ルーザーズから10チームがファイナルへ進出出来る)。
吉村さん:3人のうち2名が脱落したとしても、残った1名がスーパープレイでチームを導くというのも珍しくありません。その一瞬が生む熱狂たるや、最高に盛り上がる要素だと思います!1人のプレイヤーとしても観客としても、札幌で直接そのシーンに立ち会えると思うと、本当にワクワクしますし、これをきっかけにたくさんの方々に「ドラマ」を知ってもらいたいです・・・!
DG:全員が脱落しないまでチャンスが残り続ける競技のダイナミックさがあるからこそ生まれるドラマがありますね!
榊原さん:チームを長く応援していると、そこに生まれるバックボーンも知ることも増えます。だからこそ、薄氷の上を歩くような試合を乗り越えた際の喜びもひとしおです。プロの世界ですから、いろんな厳しさがあるのは他の競技と同様なので、乗り越えた末のチャンピオンは最高にカッコイイですよ!
ゲーム・eスポーツを志す方と、そのご家族へ
◆世界を動かすコンテンツに飛び込む覚悟
DG:吉村さんは北海道ハイテクノロジー専門学校のeスポーツを専攻されてらっしゃいますが、進学の際にご家族の反応はいかがでしたか?
吉村さん:「えっ?」でした。すぐに納得、という感じではありませんでした。
DG:それでも今日、インタビューを受けるまでご自身の意思を貫き続けているとともに、ご家族の理解も得られているということですよね?
吉村さん:当初、製菓の道に進むつもりでしたが、ある時「やりたいことってなんだろう?」と考え込んだんです。ずっとゲームが好きだったので、携わり続けたい想いが日増しに強くなって、自分の意思で進路を選ぼうと思い、必死に両親を説得しました。
DG:相応の説得力が求められますよね・・・
吉村さん:eスポーツ・ゲームは世界的に見ても市場が成熟しつつある実情を踏まえながらも、最終的には「熱意」だったと思います。「ゲームをして生活をする」のではなく、その市場を発展させるための職業はプロゲーマーやストリーマーだけではありません。ゲームカメラマンやスイッチャーなどの技術職はもちろん、企画運営もALGSのように国際色豊かな側面もあるので、ビジネスとしての強みも時流にマッチしています。なにより、私自身、ずっと楽しんでいきたいからこそこの業界を盛り上げることに身を置きたいと思いますし・・・やっぱり、最後は熱意ですね。笑
◆札幌大会は、ぜひ家族で一緒に
DG:今大会を「見て欲しい!」という方って、どんな方でしょう?
榊原さん:Apex Legendsやeスポーツのプレイヤーの「ご家族」ですね。
DG:本人ではなく、ご家族というのはなぜですか?
榊原さん:一緒に見るからこそ、理解も得られやすいと思うんです。日頃、eスポーツについて家族が語り合うシーンはまだまだ多くないので、家庭での理解促進が加速する素晴らしいタイミングだと感じています。どうしたらリテラシーやポリシー、スポーツマンシップが広まっていくのかという課題に対して、ALGSのようなイベントは理解促進のきっかけには最適だと思います。
「知るきっかけ」になって欲しいALGS
◆札幌がより魅力的になる、世界大会がやって来る
札幌にも一線で活躍するプロゲーマー、ストリーマーが存在しています。季節や地域によるアドバンテージが少ない競技だからこそ、札幌という場所でも活躍出来る土壌が確実に育まれています。
今回、お話しを伺ったお二方はALGS・Apex Legends・eスポーツを語る目がひと際輝き、心に滾らせる(たぎらせる)情熱を全力で言語化してくださいました。ただ夢を追いかけるだけでなく、将来性や経済性なども踏まえながら向き合う若いお二人の姿勢に編集部も強く心を動かされました。インタビューのご協力いただいた吉村さん、榊原さん、本当にありがとうございました!
世界的な「ひとつのスポーツ競技」として世界中が注目するApex Legends Global Series Year 4 Championshipは、私たちのまち、札幌で開催されます!この熱狂を刮目せよ!
<大会概要>
■Apex Legends Global Series Year 4 Championship
開催日程:2025年1月29日~2月2日
場所:大和ハウス プレミストドーム
住所:
札幌市アナウンスURL:https://www.city.sapporo.jp/keizai/tokku/algs.html
Apex Legends公式:https://www.ea.com/ja-jp/games/apex-legends
大会チケット販売URL:https://algschamps.zaiko.io/events
聞き手・書き手:DG(MouLa編集部)
協力:北海道eスポーツ協会
北海道新聞デジタルでもALGSを大々的にフィーチャーしています。地元メディアならではの深堀り記事でALGSと地元の盛り上がりの様子をお伝えしています。この機会にぜひご一読ください